セラミックで審美的に治したい
2019-06-23
2019年6月、佐藤歯科クリニックは開院3年目に入りました。
院内には新しい機械が増えたり、院長はじめスタッフも学びのためのセミナー等に参加したりして、患者さんのお口の健康のお手伝いができるよう、日々研鑽を積んでいます。
さて、今回は長文ですが、大切なことをお伝えしています。
口を開けた時に、かぶせ物が目立つ、歯の色が気になる、などの見た目に関するご相談が増えています。
誰もが、口元を気にせず笑顔で人と話をしたり、歯のことを気にせず美味しくご飯が食べたいですよね。
では、かぶせ物の歯を作り変えれば全て解決するのでしょうか。
いいえ、違います。
例えば、かぶせ物には色々な種類があります。
ジャケットクラウン(プラスチック)
メタルクラウン(いわゆる銀歯)
前装冠(金属冠の見える側だけに白いプラスチックを貼り付けたもの)
ハイブリッドクラウン(強化型プラスチック)
セラミッククラウン (陶材:せともの)
ジルコニアクラウン (高強度のセラミック)
ゴールドクラウン (金)
など。
※かぶせ物→クラウン
※小さい詰め物→インレー
そんなにあるんだと驚きますよね。
最初は綺麗だけど長く使うと変色するもの、見た目は悪いけれど強度は強いもの、、、、等々。
上記のかぶせ物には保険適応のもの、保険適応外のものがあり、歯の部位やアレルギーの有無によっても保険適応されるかどうかが変わってきます。
また、噛み合わせや歯のすり減り方、虫歯や歯周病の状態により、ご自身にあったかぶせ物も人によって違います。
ここで、一番大切なことをお伝えします。
審美的なかぶせ物(例:セラミッククラウン)をする
=見た目も綺麗になり、歯が長持ちする
ではありません!!
かぶせ物を支える歯根の治療を丁寧にすること(根管治療)
歯を支える骨や歯茎の状態を健康に保つこと(歯周治療)
上記をきちんと行った上で、丁寧な歯の形成・型取りを行なって、さらに汚れのつきにくい材質のかぶせ物(セラミッククラウンなど)を入れ、定期的にメンテナンスに通うことが、歯を長持ちさせる秘訣なのです!!
大切なことは、
単純に材料だけの違い(銀歯 or セラミック)ではない
と言うことです。
日々の診療の中で、長期にわたり歯の治療を受けられていたのに、しかも全てセラミックなどの保険外診療を受けてきたのに、レントゲンを撮ると、歯周炎により骨が溶けている、歯根に膿が溜まっている、かぶせ物の適合が悪く隙間から虫歯だらけになっているという方に出会います。
これは、歯科医師として本当に心苦しいことです。
歯科治療では非常に細かい作業が必要とされ、肉眼では限界があります。
歯を長持ちさせるために、そして正確で精密な歯科治療のために、
当院では治療内容によって、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)を使った虫歯治療や根管治療、歯周外科手術、かぶせ物の形成、かぶせ物の適合チェックなどを行っております。
かぶせ物を1つ作るにしても、ただ削って型をとっただけではダメなのです。
可能な限り適合の良いかぶせ物を作成するために、歯の形成方法、歯の型取りに使う材料、使用する石膏なども、かぶせ物が保険適応なのか、保険適応外なのかで使い分けをしています。
そのほかにも、
歯並びの問題や、歯の漂白が必要なケースなど、口の中を健康に審美的に整えるためには、様々な問題をクリアしていかなくてはいけません。
審美的に治したいと考えていらっしゃる方は、かぶせ物の材質だけでなく、歯を支える歯根や骨のこと、かぶせ物を作る工程も気にしてみてくださいね。
歯科医院って長く通うイメージで嫌だな〜と皆さん思われています。
確かにそうですね。
でも、治療を中断している方、気になる歯を放置している方、そのしわ寄せは後になればなるほど大変です。
健口は健康につながります。
できるだけ元気なうちに早く治療を開始して、お口の中を良い状態にしていきましょう。
そして、定期的に歯科医院でメンテナンスをしましょうね。